婚活前線異常アリ?〜東京の転出超過とこれからの婚活〜

こんにちは!

8bitスタッフのハチですヾ(o´∀`o)ノ

東京圏一極集中は変化せず

先日、総務省の「人口移動報告」が発表され、東京23区が初めて「転出超過」というニュースがありました。

『東京23区「初の転出超過」が、歴史的変化とは言えない理由』

総務省は1月28日、2021年の住民基本台帳の人口移動報告を発表した。東京都の転入した人から転出した人を差し引いた「転入超過」は5433人で、23区では転出した人が転入を上回る1万4828人の「転出超過」となった。

〜中略〜

2000年代に入ると「都心回帰」が起こり、東京は転入超過となる。これについて国土交通白書は、地価下落を背景に大規模マンションの建設など住宅供給が高水準で推移したことで「10代後半から20代前半にかけて東京都に流入した人口が20代後半から30代になっても都内にとどまっていることや、20代後半から30代にかけて新たに東京都に流入する人口が出てきていることが要因」としている。

ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/295969

 

「ダイヤモンド・オンライン」では、”23区”という括りでみると初めての転出超過ではあるけれど、”東京都”での転出超過は近年にはじまったことではないということでした。

下の表を見てみても、1970〜1990年代の東京都は転出超過が続いていました。

総務省「住民基本台帳人口移動報告」

2000年代に入ると、都心の大規模マンションや住宅供給が高水準で推移し、都心回帰が起こり転入超過となりました。

都心でファミリー向けのマンションや戸建ての供給が多かったからだと思われます。

転入超過が東京の歴史で、東京一極集中によって人口を吸収し続けるのが東京の姿だと思われるのは2000年の転入超過というデータからだと言いたいのだと思います。

たしかに小学校の社会でドーナツ化現象を学びましたが、ドーナツ化現象は昭和40〜45年(1965〜1970年)と言われ、わずか10年間の統計であったといえます。(ずっと続いていると勘違いしそう...)

 

記事の終わりに、埼玉、神奈川、千葉の”近隣三県”との人口移動で見れば約4万人の転出超過で、これまでの傾向と変わりなく、東京都一極集中が緩和されることなく東京圏一極集中が覆されることは当分ないと締めくくられています。

転入者数は地方の人口減少とともに激減している

確かに2000年代に入った転出超過は東京圏で見ると大きな変化はないということですが、転入者数はあきらかに減ってますし、この先も減っていくのではないでしょうか。

過去30年ほどの近隣三県の転出も転入も20万人前後を推移しているので、近隣三県への人口流入はそう大きく変わらず、地方の人口を吸収し続け吸収する人口がもういないということではないかと考えられます。

 

1970年の転入者数の総数は”約67万人”で近隣三県からの転入者数は”約22万人”、2021年の転入者の総数は”約42万人”で近隣三県からの転入者数は”約20万人”です。近隣三県の20万人前後の転出者数と転入者数は、2000年から2021年までは横ばいです。

確かに東京都と近隣三県の人口移動で転出転入が繰り返されるから転入超過は変わらないと言えるのかもしれませんが、この先は東京圏の人口移動だけでおさまらず近隣三県も含めて転出超過になっていくのではないかと考えています。

これは高齢化社会による人口の自然減も大きく関わっていくのだと思います。

男女別5歳幅の人口移動報告

今回の統計を見て、婚活市場にどんな変化が起こっているのか。コロナ禍でのテレワークなどで起こった人口移動は婚活市場にどんな影響を与えるのか。

男女別5歳幅の人口推移とそこから予測されるこの先の未来について、勝手ながら想像をしてみました。

 

総務省「人口移動報告」の年次調査から、「年齢(5歳階級)/男女別他都道府県からの転入者数(2021年)」「年齢(5歳階級)/男女別他都道府県からの転入者数(2012年)」の10年間でどのように変わっていったのかをグラフにしてみるとこのようになりました。

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

こちらは2012年のデータですが、圧倒的に転入者が多く、その年齢は15-19歳、20-24歳、25-29歳で、大学により東京に転入してくるか、就職で転入してくるか、おそらく20-24歳だとすると大学卒業して就職で東京に転入してくる数が非常に多いのがわかります。

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

2021年のコロナ禍でもその流れは変わりませんが、25-29歳幅が減少しているので、新卒で東京に転入する以外に転職で東京を選ぶ人が減っているのではないでしょうか。

 

ここで注目するべきは、30-34歳、35-39歳の30代の転出が男女あわせて2万人ほどとなり、40代も1万人ほどとなっています。

これは結婚を機に東京から転出し、近隣三県か地方に移る人が増えているということでしょう。

この現象は、2020年も同じく、2019年まではありませんので、コロナ禍によるものだと考えられます。

一人暮らし世帯もあるとは思いますが、年齢から結婚している世帯を中心に東京から転出しているのがわかります。

男女別5歳幅の推移

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

20-24歳の就職のための上京は、2020年のコロナ禍で約7,000人ほど減りましたが、2012年よりも1万人以上多くなっています。女性が増加傾向にありましたが、これも減ってきています。

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

25-29歳の転職を機に東京に転入する数は2012年よりも低く、2021年となるとピークの1/3程度に落ち込みました。コロナによる休業や休職が続く業態であり、レジャーや飲食などの業界だと予測されます。

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

30-34歳幅と35-39歳幅はマイナスに落ち込み、それぞれが1万人程度男女ともに同数ということで、これは夫婦や家族で転出していく状況と考えらえます。

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

婚活前線異常アリ?〜東京の人口減とこれからの婚活〜

40代のグラフでも減少は見られますが、30代よりは緩やかです。この予測としては、30代前半の夫婦は出産か育児により、環境を変えるために転出しているものだと思われます。

40代半ばから後半にかけて子育てが終わり転出する理由も無くなり住み続けるのかもしれません。

 

婚活市場からの視点でこのグラフを読み解くと面白いのですが、25-29歳の男女は女性の方が減少幅が大きく、それ以降30〜40代の男女に1,000人ほどの差が継続しているのが見てとれます。

これは女性の25-29歳が結婚により転出していくのに対し、その後を追うように男性の30-34歳、女性の30-34歳に対して男性の35-39歳、女性の35-39歳に対して男性の40-44歳と、5歳幅の結婚が多いからでしょうか。

 

5歳幅の結婚は日本結婚相談所連盟の成婚白書でもあるように「女性は3~5歳の年齢差がある男性と結婚しやすい」というデータからも言えるのでしょう。

コロナ禍の人口移動によって婚活はどう変わるか

人口移動報告は、夫婦や家族が転出しているという実態がありましたが、同時に転職などによる20代の転入が減少してきているということも見てとれます。

若い世代の転入が減るということは、大袈裟に聞こえるかもしれませんが、東京にいる独身の年齢が上がってくるということも言えるのではないでしょうか。

先の東京大学大学院経済学研究科 仲田泰祐准教授が発表したコロナ禍で失われた婚姻数は11万組とも言われ、2021年の婚姻数は実質50万組程度になると予測されます。(2021年の婚姻数は国立社会保障・人口問題研究所により発表予定)

 

結婚に対する意識も弱くなり、人口を吸収し続けた東京では20代の独身人口も減っていき、よりいっそう婚活の環境が厳しさをましていくのだと思います。数少ない出会いの中で理想の相手を探していくのも年々難しくなっていく中で、婚活サービスはもっと必要とされていくのかもしれません。

 

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投稿者プロフィール

ハチ
ハチ
8bit婚活エージェンシーの中の人。広報PR、ブログ担当。
婚活業界で10年以上働く婚活のプロ。カウンセラー経験もあり。
婚活ノウハウ、婚活業界などを発信中。